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任意整理の実例

ここでは、実際に当事務所で解決した任意整理の事例をご紹介します。

【Cさん夫妻のケース(任意整理)】

「相談前状況」

Cさん夫妻は、個人で日用雑貨の小売業を営んでいましたが、ここ数年の売り上げ不振から、生活費の足しにと信販会社のカードを利用するようになりました。各人がカードを所持し、キャッシング(借入れ)による債務がそれぞれ約100万円ずつありました。
お二人とも、けっして多重債務ではありませんが(借入れはその一社のみ)、コツコツ返済を続けてきたにもかかわらず、一向に減らない債務残高と、上記のとおり売り上げ不振から毎月の返済額が負担となり、「もう自己破産するしかない」と、藁にもすがる思いで相談に来られました。

「解決方法」

Cさん夫妻は、借入先が某大手信販会社であったため、同社が利息制限法所定の制限を超える違法な利率での貸付を行っているなどとは夢にも思っていませんでした(したがって、その事実をお伝えした時、大変驚かれました)。
また、取引年数が約7年であったため、それなりの債務額の圧縮が期待できました。

「解決後状況」

実際にふたを開けてみると(制限利率による引き直し計算をすると)、ご主人については約10万円に、奥様に至っては約1万円まで減額されました。
大幅な減額となった債務に、お二人は狐につままれたような思いのようでした。
そこで、相手方との間で、ご主人は(今後発生する利息をカットする)合計10回の分割返済とし、一方奥様は一括返済とする内容で和解をしました。
気がかりだった借金の返済に目途が立ち、「これで事業に集中できそうだ」と大変喜ばれました。

【 I さんのケース(任意整理)】

「相談前状況」

Iさんは、6年前に離婚したのを機に、嫁ぎ先の神奈川県から実家のある浜松市に戻ってきました。
婚姻期間中の10年以上前、消費者金融数社から借り入れをし、離婚前はコツコツと返済をしていましたが、離婚して以後それによる慌ただしさと生活苦を理由に(申し訳ないと感じながらも)返済を滞るようになり、次第にどこから借り入れをしたかすら忘れてしまいました。
ところが、引っ越し先の実家に請求がくることもなく安心しきっていたところに突然、上記消費者金融から債権を譲り受けたと主張する債権回収会社から、支払いを催促する通知が届きました。驚いたIさんは、慌てて当事務所に相談に来られたのです。

「解決方法」

Iさんは、債権の譲渡人の消費者金融に確かに聞き覚えがあり、かつて借り入れをしていた先に間違いはありませんでした。
しかしながら、Iさんの記憶が確かであれば、上記のとおり実家に戻って以降一切返済をしておらず、消滅時効にかかる可能性が高いといえました。
早速、債権調査(取引履歴の開示)をしてみたところ、案の定、最終返済日から5年を経過しており時効期間が満了していたのです。
そこで、内容証明郵便にて時効援用の通知書を送付しました。

「解決後状況」

Iさんは、上記案件が解決し半年後、再び当事務所に相談に来られました。今度は別の債権回収会社が、別の消費者金融から債権を譲り受けたからと請求(催告)をしてきたのです。調査の結果、こちらについても同様に時効援用の通知を送付し解決に至りました。
Iさんは、いずれの場合も、催告の通知に驚いて(わずかでも)返済をしたりせず、すぐに相談に来られたことが良かったといえます。

【Oさんのケース(任意整理)】

「相談前状況」

Oさんは、約15年前から、夫のリストラによる収入減や大学生になる子の仕送り等による支出の増加が原因で家計が苦しくなり、ほんの軽い気持ちで消費者金融から借り入れたところ、瞬く間に借入先の数及び債務総額が増えてしまいました。そして、気付いた時には返済のために借り入れを繰り返すといった、自転車操業状態に陥りました。
当事務所へ来られた時、合計9社に対し総額350万円ほどの債務を負っていました。本人の希望は、ずばり「自己破産」でした。

「解決方法」

Oさんは、大変生真面目な性格であったため、これまでの取引きで大きく返済を滞ることは決してありませんでした(コツコツと返済を継続してきました)。
その一方で、どうしても他社の返済のために借り入れをしなければならなくなることが多々あり、元本が思うように減りませんでした。
したがって、取引期間や上記取引経過を聞くにつけ、相当な減額が見込めることは想像に難くありませんでした。
取引履歴を請求し法定利率で再計算すると、やはりと言うべきか、3社が過払い状態にあり、それ以外の6社についても大幅に減額となりました。

「解決後状況」

5社について回収した過払い金をもって一括返済し、残り1社については毎月1万円の分割返済(2年間、24回)をしていくことになりました。
相談に来られた時、月々10万円前後の返済をしていたOさんにとって、その負担は微々たるものでした。
業務終結報告の際のOさんの晴々とした姿は、自己破産しなければならないと思い詰め当事務所にやってきた時とはまるで別人のようでした。

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